「四季を感じる空間へ」を設計コンセプトとした東京・世田谷にある建築設計事務所

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坪単価の秘密

「坪単価○○円から」という広告を皆さん一度は、見たことがあると思います。
「え~こんな安いの?じゃうちは、40坪の家を検討してるから○○円/坪x40坪=●千●百万ね」なんて計算しますよね。
でも実際は、そのようにはならないのです。そのわけをお教えします。

建物を建てるときに掛かる費用には、大きく分けると下記の3つになります。

  • 1. 建物工事金額
  • 2. 設計監理料
  • 3. 建築に伴う諸費用

となります。工務店・ハウスメーカーなど設計・監理・施工を一緒の会社が行う場合は、2.設計監理料は1.建築工事金額に含まれます。

建物工事金額の中身を木造戸建住宅を例に見ていきましょう。

(1)建物工事金額

「A:建築工事」
  • 1. 土工事・鉄筋工事・型枠工事・コンクリート工事
    主に基礎を作るための工事。地面を掘り、鉄筋を組み、型枠を建て、コンクリートを打設し、脱枠をするまで
  • 2. 木工事・屋根工事・防水工事・外壁工事・左官工事・タイル工事・金属建具工事(サッシ)・ガラス工事・塗装工事
    主に建物本体の外部を作る工事。基礎工事完了後、柱・梁を組み上棟後、屋根を葺き、サッシを取り付け、外壁工事を行います。左官工事や、ガラス工事・タイル工事・塗装工事は、下記の建物内部仕上げでも使う場合があります。
  • 3. 内装工事・木製建具工事・家具工事
    主に建物内部仕上げを行う工事。建物外部完了後、壁を作るために石膏ボードをはり、クロスや塗装工事で仕上げ、建具を吊り、家具を据付けます。
「B:付帯工事」
  • 1. 電気設備工事
    スイッチ・コンセント・照明などが含まれます。その箇所数や、商品によって金額差があります。
  • 2. 給排水設備工事
    水道管・配水管などの水・お湯に関する工事。水・お湯の箇所数・建物の階数・建築地域の水圧などで金額に差があります。
  • 3. ガス工事
    ガス器具の設置箇所により金額が変わります。
  • 4. 外構工事
    門や塀、植栽など。敷地の大きさ・工程差・仕上げで大きく金額差が出ます。
  • 5. 解体工事
    建替え工事の場合必要。既存建物の敷地条件(道路の広い狭い・敷地に駐車スペースの有無)、既存建物の構造(木造・鉄骨・RC)で金額差があります。
  • 6. カーテン工事
    窓の種類と大きさ・生地で金額が変わる。
  • 7. 特殊基礎工事
    地盤の弱い敷地には、必要になる可能性があります。

(2)設計監理料

当社では、(1)建物工事金額の14%を基準にしています。これには、お客さまのご要望を実現するための打合せから図面作成、震災を防ぎ安全・安心な暮らしをすごすための構造計算、建築許可をもらう確認申請、図面道りに現場が出来ているか確認する現場監理と建物の新築相談から完成まで費用となります。
工務店・ハウスメーカーは、(1)の建築工事に含まれます。

(3)建築工事に伴う諸費用

1.登記費用
新築時にその建物に対して、その住所・大きさ・種別・所有者などを記載し、法務局に登記する「表示登記」、新築工事の前 に既存建物があった場合、その解体する建物に対しての権利を抹消する、「滅失登記」などがあります。

2.融資諸費用
金融機関から融資を受けて工事を行う場合、各種の諸費用が掛かります。各金融機関の商品や借り入れ額、名義によって かかる費用と内容が異なってきます。「金銭消費貸借契約書印紙代」・「ローン手数料」・「団体信用生命保険料」・「火災保険料」・「抵当権設定登記費用」などがあります。

3.契約時印紙代
設計事務所との設計監理業務委託契約、工事会社との工事請負契約の両方に掛かります。2.の金融機関との契約時にも 掛かります。

4.調査費用
敷地調査・地盤調査・役所調査にかかる費用。

5.確認申請、中間・完了検査費用
法的に設計した建物かの可否を審査し、その設計図通り、現場が出来ているかを検査する費用。役所・審査機関に支払う費用です。

これらの費用を全て足したものが、「建築にかかる総費用」になります。

ここからが、問題です。

「坪単価」というのは、皆さん、この全て足した金額を坪数で割ったものとお考えになっていませんか?
これが、そうではないのです!

実際は、(1)の建築工事金額を坪数で割るのが、いわゆる「坪単価」として、皆さんのお目にふれている金額なのです。

では、何故そのようになるのでしょうか?

それは、1の建築工事以外は、敷地の条件やお客様のご要望で、大きく異なり、条件が様々だからです。
敷地条件で言えば、
「敷地がせまく、道路もせまければ、材料をちいさなトラックを使って回数を増やして搬入するため搬入費が高くなる。」「地盤が弱ければ、杭や地盤補強などの特殊基礎工事費がかかってしまう。」「建替えの計画には解体工事が必要」
など、それぞれの敷地に抱える条件があるからです。

では、建築工事はどうなのか?これにも金額の幅があります。
「床材は無垢のフローリングがいい」・・・その材種・メーカー・使用範囲で金額差があります。
「お風呂はやっぱり広いほうがいいだろう」・・・当然大きくなり、いい材料を使えば金額増。
「クロスよりエコな塗り壁がいいな」・・・材料代・手間代ともに金額増。
など、ご要望によってその費用も様々です。

これらを踏まえると、坪単価というものが、敷地条件・仕様などの計画の内容で大きく異なってくるのがお分かりいただけたと思います。坪単価とは、とても不確定で曖昧なもので、結果論に過ぎないのです

大事なことは、お客様にとって(1)(2)(3)を足した総額、すなわち、「建築にかかる総費用」を押えておくことです。「坪単価が安い!」といって依頼をしたものの、(1)の仕様がお客様のご要望を充たすものとかけ離れていたり、敷地状況で、付帯工事がかさんでしまって、総費用が予算を超えてしまったりということが往々にしてあるようです。
建物を建てるためには、(1)建築工事金額(2)設計監理料(3)建築に伴う諸費用という内訳があって、敷地や仕様によって「建築にかかる総費用」が異なることを理解して計画を始めていけば、金額的にご満足のいく、納得のいく「住まいづくり」が出来ると思います。

是非その「住まいづくり」を当社と一緒に出来たら幸いです。
当社の「住まいづくり」の流れもご覧下さい。
些細なことでもかまいません。お問い合わせ・ご来社お待ちしております。

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